整形外科医である前に「良き整形内科医であること」を目指したい

 整形外科は、患者さんにとって最も身近に感じることのできる診療科であると思います。転倒・転落による関節捻挫や切り傷、スポーツによる障害、急に生じる腰痛や階段の昇降時に感じる膝痛などは日々悩まされる症状であることも少なくないと思います。整形外科の特徴でありまたその利点は、そのような症状を有する疾患に対して、内科的治療(外来におけるリハビリ、注射、投薬、装具などの保存療法)に始まり、外科的治療(手術)の選択、その後のリハビリテーションと初診から終診まで一貫して一人の医師が治療に関わることのできる診療科であることです。
 患者さんと出会い、あるいは選ばれ、治療を任せて頂けることは、まさしく整形外科医師としての誇りであり、大きな責任を感じる次第です。

 しかし、昨今、医療不信、医師不信などが叫ばれ、医療を取り巻く医師と患者の信頼関係は崩壊しつつあります。幕末の医師である緒方洪庵は、扶氏医戒之略(ふしいかいのりゃく)の中で、医師が守るべき戒めを12箇条にまとめ門人に伝えました。その中で、医療者とは自身の名誉・名声や富にとらわれることなく、ただ病める人のために医療を施術しなければならない。たとえその病を治すことが出来なくても、病める人の気持ちを少しでも和らげる努力を惜しんではならないと説いております。今の時代、私達医師は本当にこのような気持ちを持って日々患者さんに接しているでしょうか。
 医療法人社団履信会は、本来の医師のあるべき姿について自問自答し、謙虚に医療の原点に回帰しつつ、一方では最新の知見・技術・設備をもって患者さんとともに歩んで行けるような地域に根ざした医療を展開して行きたいと考えております。